フィリピン・ミンダナオの仲間からの訴え
マラウィ市の住民・避難民に緊急の人道支援を!
報道されているようにフィリピン・ミンダナオのマラウィ市を中心にイスラム武装勢力とフィリピン軍の戦闘が激化し、住居を追われた人たちや市内に残った人たちが不安と、過酷な条件の下で日々を過ごしています。
私たちのフィリピンの仲間たちはミンダナオにおいて、宗教対立を超えて、キリスト教徒とイスラム教徒と先住民族が共存する自治と民主主義とエコロジーの社会を目指して、厳しい状況の下で活動を続けています。
私たちの仲間も参加している人道支援団体「ラナウ災害救援・再定住支援センター」(RDRRAC、https://rdrrac.wordpress.com/about/about-us/ )は5月27日付で緊急人道支援のアピールを発し、それに応えて世界各地からカンパが寄せられています。
この支援活動をより大きく広げるため、「国境なきヨーロッパ連帯」(ESSF)はオンライン寄付の取り扱いを始めました。PayPalを利用して集められた寄付は速やかに「ミンダナオ人道的行動ネットワーク」(MiHANDS)を通じて現地に送金されます。
私たちは「ラナウ災害救援・再定住支援センター」と「国境なきヨーロッパ連帯」の呼びかけに応えて、日本からも多くの人々がオンライン寄付に協力していただくよう訴えます。
現地の状況は日々深刻化しています。マラウィ市の市民、避難民に緊急の支援を! そしてフィリピンの仲間に限りない連帯を!
呼びかけ(五十音順)
喜多幡佳秀
国富建治
酒井与七
星川洋史
武藤一羊
ラナウ災害救援・再定住支援センター(RDRRAC)からの緊急の要請
(2017年5月27日)
<抄訳>
5月23日午後2時ごろ、マラウィ市のいくつかの公共施設でマウテ・グループ(ISのシンパ組織と言われている)と推定される武装勢力と政府軍の兵士の間で銃撃戦が発生し、市民が巻き込まれました。暴力が激化する中で、市民の生命や身体への危険がますます高まって。報道によると同日深夜までに、銃撃戦によってすでに44人が死亡し、数百人が負傷し、教会のリーダーが誘拐され、市民が人質にされ、病院が占領され、放火され、破壊されました。・・・
同日、ドゥテルテ大統領によって戒厳令が宣告されました。軍事作戦が強化される中、ますます多くの市民がこの地域を出ていくことを余儀なくされました。5月23日以降、2万5千人(推定)の人々が市から脱出しました。多くの市民(子供を含む)がビルの中に取り残され、何も食べていない状況で、まだ届かない救援を待っています。5月27日現在、1,300人以上が依然としてマラウィ市に取り残されています。
「ミンダナオ人道的行動ネットワーク」(MiHANDS)北西ミンダナオ地区の幹事団体であるラナウ災害救援・再定住支援センター(RDRRAC)にはマラウィ市から逃れてきた343以上の家族 – 現在、避難センターまたはイリガン市の親戚宅で生活している – が登録されています。RDRRACはまだイリガン市やラナオ・デルノルテに避難している人と家族の総数を把握していませんが、この時点でこの人道的活動への支援を呼びかけます。
緊急に必要な支援は下記の通りです;
– ハラル食品と飲料水
– 寝具
– 衛生用品
– 医薬品
– 台所用品と調理器具
– 衣類
– 交通手段
すべての寄付は下記のRDRRACの救援本部に届けられます:
Ranaw Disaster Response and Rehabilitation Assistance Center (RDRRAC), Inc. at Door 2 Maca-agir Apartment, 6th East Rosario Heights, Tubod, Iligan City, Philippines.
「国境なきヨーロッパ連帯」(ESSF)からの報告と要請
(2017年6月)
<要旨>
ESSFは従来から、ミンダナオの50以上の市民団体のネットワーク、「ミンダナオ人道的行動ネットワーク(MiHANDS)」の台風被災地域救援や武力紛争の被害者救援などの活動に協力してきました。ESSFは今回の武力紛争に関連する人道支援の要請に応えて、6月初めに直接の救援のために3000ユーロを送金し、また救援活動の支援のために6000ユーロを寄付しました。これは第一次分であり、その後の状況から考えても、さらなる支援の拡大が必要です。
5月23日の戦闘は警察の活動がイスラム教原理主義者たちからの予期せぬ反撃に遭ったことからはじまりました。それ以降、事態は悪化し続けています。
マウテとアブサヤフは特にキリスト教徒に対する集団殺戮を行ってきました。ドゥテルテ大統領はミンダナオ島全域に戒厳令を布告しましたが、戒厳令の下で多くの人権侵害が予想されます。軍や警察が殺人の罪を問われない状態が、ドゥテルテ大統領の「対麻薬戦争」(すでに8000人以上が殺害されています)の中で極限に達しており、軍が全地域に配備されています。
マラウィの住民の大多数、したがって避難民の多くはイスラム教徒であり、マウテとアブサヤフの犯罪には何の責任も負っていません。にもかかわらず、避難先で拒絶され、恐怖に怯えています。
MiHANDSはミンダナオのルマド(先住民族)、モロ(イスラム教徒)、そしてキリスト教徒(フィリピンの北部および南部からの植民者の末裔)の3つのグループの間の連帯の促進を目指してきたネットワークであり、そのことが現在の危機的な状況に関与する上での重要な資産となっています。
現在、フィリピンの政治的状況も、中国・ロシアとの関係強化を図っているドゥテルテ大統領と、それを好まない米国、フィリピンのエリート階級、軍の間で不安定になっており、体制危機や戒厳令の全国への拡大の可能性も指摘されています。
Mihandsや他の運動のネットワークは、状況の悪化の中で危機にさらされる住民たちを支援するための活動を強化することを必要としています。
彼ら・彼女らを支援するために、まず現在の状況の深刻さを理解し、彼ら・彼女らの活動を資金面で支えることが非常に重要です。
(下記のESSFのウェブページに継続的に最新情報を掲載しています)
オンライン寄付の方法
①「国境のないヨーロッパ連帯」(ESSF)の英語ページにアクセスする
http://www.europe-solidaire.org/spip.php?page=sommaire&lang=en
②右側の PayPal のロゴを見つけてクリックする
ESSFへの寄付のためのPayPal画面が表示されます。
フランス語で表示されますが、「支払地」(「pays : France」となっているところ)を「Japon」に変更すると日本語の表示に変わります。→指示に従って入力してください。
寄付額はユーロで入力する必要があります。7月6日現在、1ユーロは約130円です。
注意:途中でセキュリティー確認のために、画面に表示されている画像の中の文字を入力するよう求められます。文字を正しく入力すれば次の画面に進みます。
③すべて正常に完了すると確認画面が表示され、この画面から領収書を印刷できます。